①空気清浄機の歴史
世界で最初の空気清浄機は、イギリスで石炭の煤煙の除去のために開発されたという説があります。産業の発展に伴い空気汚染が拡大し、それまでの換気扇ではまかなえなくなったのです。
日本で空気清浄機が登場するのは、日本経済が飛躍的に成長を遂げた高度経済成長期、1954年(昭和29年)から1973年(昭和48年)の中頃。四日市ぜんそくなど大気汚染が問題になリ始めた1962年(昭和37年)に、パナソニックから床置型で3層のフィルターを備えた空気清浄機が発売されますが、一般的に広まることはありませんでした。
発売当初の空気清浄機は、タバコの煙の除去や室内の空気を清浄化することが主な目的でした。次第に住宅が気密・高断熱化していくにつれ、ハウスダストや花粉症などのアレルギー、シックハウス症候群、抗菌・除菌の意識の高まりが表面化していくにつれ、空気清浄機の機能の充実が期待されるようになります。各メーカーから、センサー部分やフィルター、ルーバーなどに改良を加えながら、小型化・デザイン化された製品が発売され、近年は、除湿機や加湿器の機能や各種アレルゲンの分解・除去の機能を持つ除湿機なども製品化されています。
②空気清浄機の豆知識
発売当初は、大気汚染やタバコの煙の除去のために必要とされていた空気清浄機ですが、近年は、室内でのペット飼育増加に伴うアンモニア・酢酸臭、家庭内での介護の機会の増加による臭い対策への機能が期待されるようになりました。そのため、従来の空気の清浄化、除湿・加湿などの機能に加え、脱臭・消臭効果を高めたり、イオン機能で脱臭・消臭・除菌したりする製品が登場。ほかにも、アレルギー・ウィルス・PM2.5対策、空気を正常化しマイナスイオンを発生させるなどの機能を持つ空気清浄機が発売されています。
最新の製品では、wifi機能搭載の製品が登場し、スマートフォンやタブレットから遠隔操作できるのはもちろん、室内の空気の汚染物質の濃度や汚れの度合いの変化を画面で見られるようにもなっています。一方で、大風量のファンを用いて室内の空気を一気に吸い込みフィルターを通し空気をきれいにする本来の空気清浄機の機能をさらに高めた機種も登場。
家庭内の必需品となるに従って家電としてのデザイン性も追求され、コンパクトでおしゃれ、収納もしやすいタワー型のデザインやインテリア性の高いカラーを選べる空気清浄機などが増えてきています。
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