①オーブンレンジの歴史
オーブンレンジは、マイクロ波を照射し食品を加熱調理する電子レンジに、電気ヒーターを使ったオーブン機能を持つ電気オーブンを合わせた調理機器です。マイクロ波は、それまでレーダーに利用されていましたが、1945年(昭和20年 )アメリカのレーダーの技師だったパーシー・スペンサーが、食品の加熱に使用できることを発見し、1947年(昭和22年)には、世界で初の電子レンジを商品化します。
日本では、1959年(昭和34年)に、東芝から電子レンジが発売されました。その後各メーカーから販売されるようになりますが、高価で業務用としての用途に限られていました。1970~1980年代になると一般家庭でも購入可能な価格の電子レンジが登場し広く普及します。
電子レンジと電気オーブンを一体化したオーブンレンジが日本で発売されたのは、1977年(昭和52年)。その後は、スチーム機能・ハロゲンヒーター搭載・インバータ搭載のオーブンレンジが登場。
出力が500から600Wになり、高出力化へ特化した製品が開発されます。近年は、最大レンジ出力1000W、オーブン最高温度350℃で、石窯のような焼き上がり機能を持つオーブンレンジなどが登場しています。
②オーブンレンジの豆知識
電子レンジと電気オーブンの機能を持つオーブンレンジは、発売以来さまざまな機能を持つ家庭用の調理機器として需要を高めています。電子レンジは、食品を内側から温められますが、外側から焼き目をつけるような調理には不向きでした。オーブンレンジの登場により、電子レンジでは補えなかった機能をひとつの機器で使えるようになります。
スチーム発生装置付きのオーブンレンジの登場で、焼くだけではなく煮たり蒸したりが可能になり、メニューキーを押すだけでさまざまな料理が自動でできるオーブングリルレンジなども発売。解凍や下ごしらえだけではなく調理の行程すべてを補えるものとして認識されます。
近年のオーブンレンジは、パン作りの生地の練りから焼き上げまでのすべてを自動で行えるホームベーカリー機能付き、高熱の水蒸気を発生させて300~400度の高温で焼き上げる製品など高級化が進んでいます。
その一方で、低価格の製品でも、パンの発酵モード、食品をかりっと焼き上げる上下のグリル機能付き、茶わん蒸しやスポンジケーキなどをしっとりと仕上げられるスチーム機能が付いたオーブンレンジが発売され、多機能化が進んでいます。
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