①掃除機の歴史
世界初の掃除機は、1868年(明治元年)にアメリカで誕生します。レバーを手動で引いて圧をかけ、その反動によってノズルからごみを吸い取るという簡単なものでした。電気式の掃除機が登場するのは、1876年 (明治9年)で、絨毯用として製品化されます。1901年(明治34年)になると、布フィルター付きの掃除機が開発されますが、当時の製品は大型で重いのが特徴でした。
日本で電気式掃除機が製品化されるのは、1931年(昭和6年)。芝浦製作所(現東芝)が発売した縦型掃除機でした。当時の日本の家屋はたたみの部屋が主流で長らくの間広く浸透することはなく、掃除機の需要が高まるのは1960年代に公営団地の建設が始まってから。団地や一般の家屋に洋室が作られ、絨毯の流行に伴い掃除機が必要とされるようになります。フィルターにごみを溜めるタイプから使い捨ての紙パックのタイプに移行し、1990年代になるとサイクロン式掃除機が開発され日本でも広く浸透します。2000年代には、小型の家庭用ロボット掃除機が登場します。
②掃除機の豆知識
掃除機が発明される前は、ほうきで掃いてごみを集めるのが当たり前でしたが、現在は、電気掃除機は各家庭にあり自動で掃除をしてくれるロボット掃除機までが登場しています。
ロボット・クリーナーや掃除用ロボットと呼ばれることもある、ロボット掃除機が初めて登場したのは、1985年(昭和60年)。この都市に開催されたつくば科学万博にメチルアルコールで動く「クリーナーシャーク」という製品が展示されたのが最初。その後も、日立が2003年(平成15年)にロボット掃除機のデモ機、パナソニックの試作機、三洋電機が開発するなどオフィス清掃ロボットの実用化には成功していました。ですが日本の多くの家電メーカーは、日本の家屋が狭いことから需要が見込めない、危険が想定されるなどとして、一般用への販売には積極的ではありませんでした。
事情が変わるのは、アメリカ製のルンバという製品が全世界で人気を得てから。それまで掃除機の製造とは関係がなかった国内メーカーだけではなく、大手メーカーも家庭用のロボット掃除機を次々と発売します。
自動のロボット掃除機は、家庭用として比較的新しい商品ですが、業務用床掃除ロボット・プール用ロボット掃除機・窓掃除用ロボットなどが、2000年前後から日本のメーカーの手により製品化され各事業所で用いられています。
|