①ヒルティ(HILTI)の歴史
「ヒルティ(Hilti Corporation)」は、ヨーロッパの中心部にあるリヒテンシュタイン公国に本社を置くメーカーで、建設用の資材やドリル・ブレーカーなどの工具の製造販売をしています。ヒルティは、1941年(昭和16年)マーティン・ヒルティとユージン・ヒルティの兄弟によって設立。1948年(昭和23年)には、締付技術による特許を取得。1950年代初頭には、手持ち駆動ツールとネイルガンを製品化します。
1972年(昭和47年)には、イタリアの販売会社と契約を締結し、世界初の火薬式鋲打機「DX100」を製品化し販売を開始、1960年代前半には約30ヶ国の海外拠点を持つようになります。1980年代以降は、アンカーシステムや鋲打機、穴あけなどの製品分野を充実させ、1990年代は、ロシア・南アメリカ・アジア地域でのグローバル化に力を入れます。
日本法人の「日本ヒルティ株式会社」は、1968年(昭和43年)にヒルティと伊藤萬株式会社の合弁企業として設立。当時の社名は「ヒルティ販売株式会社」で、1992年(平成4年)には、ヒルティが100%出資する子会社となりました。
②ヒルティ(HILTI)の豆知識
ヨーロッパ市場で非常に高いシェアを誇るヒルティ。日本の「日本ヒルティ株式会社」は、神奈川県横浜市にあります。日本では建設現場での認知度が高いヒルティ。創設者のマーティン・ヒルティが発明した鋲打機の火薬式の製品は、国内シェアのほとんどを占めています。鋲打機は、火薬やガスを使い機器に内蔵した鋲を、壁や床、断熱材などの構造部材に瞬時に打ち込むための機器。火薬式鋲打機は、銃刀法で規制されているため、購入や所有には銃の免許が必要です。
鋲打機のほかには、墨出しや穴あけ、コンクリートを削ったり壊したり切断したりするハツリ、留付け・充填など、プロフェッショナルが活躍する建設現場の基本行程をになう製品には定評があります。プロフェッショナルユーザー向けに特定した製品を扱うことから販売は、直販が基本。日本全国で約300名の営業担当者が、担当地域を決めて営業活動を行っているのです。近年は、太陽光パネル支持架台市場への参入や建設機械レンタル会社によるヒルティ製品のレンタルを開始しました。
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